電気自動車の税金は?免除される税金と補助金・維持費の節約術も 自動車・バイク By - UPDATE編集部 更新:2021-08-06 ※写真はイメージ 電気で動く電気自動車(EV)は、原油価格の変動による影響を受けず、地球環境にもよいという点から日本でも注目され始めています。日本を含む世界中では、近い将来、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止する動きが出ており、EV化は今後も進むでしょう。 さらに、電気自動車は税制優遇を受けられるため、ガソリン車と比べて維持費が安くなりやすい点も魅力です。しかし、電気自動車にはどのような税金がかかり、どれほど減税・免税されるかを具体的に把握していない人も多いでしょう。 そこで当記事では、電気自動車にかかる税金から、減税・免税についての詳細、電気自動車に関する補助金制度、さらに税金以外にかかる必要な維持費までを詳しく解説します。電気自動車の購入を少しでも検討している人は、ぜひ参考にしてください。 ※当記事は2021年8月6日現在の情報をもとに、記事を作成しています。 目次 1. 電気自動車の税金|減税・免税はある?1.1. 購入時にかかる税金は免税1.2. 登録時や、車検時にかかる自動車重量税は免税・減税1.3. 毎年かかる自動車税は減税2. 電気自動車に関する3つの補助金制度3. 電気自動車の維持費|税金以外にかかるお金と節約術3.1. 電気代3.2. 車検代3.3. 保険代4. まとめ 電気自動車の税金|減税・免税はある? ※写真はイメージ 電気自動車にかかる税金は、基本的に一般的なガソリン車と同様、大きく下記の3つに分けられます。 ・購入時にかかる税金 ・登録時や、車検時にかかる自動車重量税 ・毎年かかる自動車税 そして電気自動車の所有者は、免税・減税といった優遇措置を受けることが可能です。ここからは、各税金の免税・減税措置について詳細を解説します。 購入時にかかる税金は免税 電気自動車の購入時にかかる税金は、『環境性能割』により免税されます。 環境性能割とは 環境性能割とは、自動車の購入者に対して課税される税金です。環境負荷軽減に応じて、税率が異なることが特徴で、区分により非課税1~3%の税率が定められています。燃費のよい自動車ほど税が軽減され、電気自動車など燃費性能が非常に高い自動車は非課税となります。 環境性能割は、2019年10月の自動車取得税廃止に伴い、同月に導入されました。同月1日から2021年12月31日までの期間は、臨時的に税率が1%軽減されます。もともとは2020年9月30日までとなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、延長されました。 登録時や、車検時にかかる自動車重量税は免税・減税 電気自動車の登録時・車検時には、自動車重量税がかかります。自動車重量税とは、その名の通り自動車の重量に応じて支払わなければならない税金のことです。そして、電気自動車の自動車重量税は、『エコカー減税』により免税・減税措置を受けられます。 エコカー減税とは エコカー減税とは、一定の排出ガス基準・燃費基準の達成車に対して、自動車取得税・自動車重量税の税負担を軽減する特例措置です。国土交通省が定めた環境基準を満たす自動車は、自動車重量税の免税・減税措置を受けられます。電気自動車も、エコカー減税の対象で、初回車検時と、2回目の車検時は免税です。 エコカー減税による自動車重量税の免税・減税措置は、2023年4月30日まで適用されます。もともとは2021年3月31日までとなっていましたが、2021年度の税制改正に伴い延長されました。 毎年かかる自動車税は減税 ※写真はイメージ 電気自動車は、毎年5月に支払わなければならない自動車税も減税対象です。そもそも自動車税は、自動車の排気量により金額が異なります。電気自動車は排気量ゼロのため、2万5000円の自動車税がかかります。なお、最も自動車税が安い自動車は軽自動車であり、その金額は一律1万800円と、電気自動車の自動車税よりも半額以上安いことが特徴です。 そして、電気自動車の自動車税は、『グリーン化特例』により減税措置を受けられます。 グリーン化特例とは グリーン化特例とは、排出ガス性能・燃費性能の高い自動車に対する自動車税負担を軽減する特例措置です。電気自動車の新車登録を行った場合、翌年度の自動車税が75%減税されます。 グリーン化特例による自動車税の減税措置は、エコカー減税と同様、2023年4月30日まで適用されます。 電気自動車に関する3つの補助金制度 ※写真はイメージ 電気自動車は車体価格・新車購入価格が高いことが特徴で、普及率を妨げる原因になっています。そのため、一般的な乗用車との負担差を縮めるべく、国や各自治体からは減税・免税措置のほか、下記3つの実施機関による補助金制度が導入されています。 <次世代自動車振興センター> 補助制度名:CEV補助金 補助金額:最大40万円 募集期間:新車新規登録 2021年2月20日~2022年2月18日 申請書受付 2021年4月28日~2022年3月1日 <環境省> 補助制度名:再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業 補助金額:最大80万円 募集期間:2021年7月1日~2021年12月28日 <経済産業省> 補助制度名:クリーンエネルギー自動車の導入補助金 補助金額:最大60万円 応募期間:2021年7月1日~2021年12月28日 各省庁のウェブサイトには、より詳細な情報が記載されています。詳しく知りたい人は、ウェブサイトでの確認がおすすめです。なお、募集期間が終わっていなくても予算枠が埋まり次第、申請受付が終了する可能性があるため注意しましょう。国の支援制度以外にも、各自治体での支援制度が導入されているケースもあるため、あわせて確認することをおすすめします。 電気自動車の維持費|税金以外にかかるお金と節約術 電気自動車は、一般的なガソリン車と同様、税金以外にもさまざまな維持費がかかります。費用はガソリン車と比較して安い傾向にあり、減税・免税措置を受けられるとはいえ、少なからず維持費が必要であることを覚えておきましょう。 最後に電気自動車の税金以外にかかるお金と、それぞれの節約術を説明します。 電気代 ※写真はイメージ 電気自動車は電気で動く車です。ガソリン車はガソリン代が定期的にかかるよう、電気自動車も電気代が発生します。ガソリンに比べて費用は安いことが特徴です。 また、ガソリンスタンドは街中のいたるところにありますが、電気自動車の充電ができる設備は、電気自動車が注目されている近年でも依然として多くありません。電気自動車の購入を検討しているのであれば、自宅や自宅近所に充電設備があるかどうかを確認することをおすすめします。 車検代 ※写真はイメージ 電気自動車であっても、公道を走るうえで車検は必ず2年ごとに受けなければなりません(初回のみ3年)。車検をすれば、車検代が当然かかります。また、電気自動車の車検を行える業者は少なく、選択肢が限られてしまう点に注意が必要です。やっと見つけられたとしても、「車検代が高額だった」というケースも珍しくありません。 とはいえ、電気自動車のメンテナンス項目や、エンジン関連の消耗品は少ないため、基本的にガソリン車と比較して車検代は安い傾向です。 保険代 ※写真はイメージ 自動車保険(任意保険)への加入は任意ですが、万一の事態に備えて加入するべきでしょう。車体価格の高い電気自動車であればなおさらです。自動車保険に加入する場合は、ガソリン車と同様、保険代がかかります。 近年では環境保護の推進を目的として、電気自動車の保険料を安めに設定している保険会社も多く存在します。割引額や割引率は保険会社によって大きく異なるため、きちんと確認したうえでお得な自動車保険に加入することをおすすめします。 まとめ 電気自動車の税金や、受けられる減税・免税措置、3つの補助金制度、税金以外に必要となる維持費と節約術を詳しく解説しました。 環境問題への取り組みが重要視されている近年、一般的なガソリン車とのお金の負担差を縮めるべく、電気自動車にはさまざまな支援制度が設けられています。まだまだ普及率が低いことから、充電設備のある場所が少ない・車検業者が少ないなどのデメリットはあるものの、ガソリン車と比べて大幅にランニングコストを削減でき、地球環境にもよいという点は大きな魅力といえるでしょう。 ここまでの内容を参考に、電気自動車の購入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。 [文・構成/UPDATE編集部] 関連ワード 電気自動車 この記事をシェアする Share Post LINE
電気で動く電気自動車(EV)は、原油価格の変動による影響を受けず、地球環境にもよいという点から日本でも注目され始めています。
日本を含む世界中では、近い将来、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止する動きが出ており、EV化は今後も進むでしょう。
さらに、電気自動車は税制優遇を受けられるため、ガソリン車と比べて維持費が安くなりやすい点も魅力です。
しかし、電気自動車にはどのような税金がかかり、どれほど減税・免税されるかを具体的に把握していない人も多いでしょう。
そこで当記事では、電気自動車にかかる税金から、減税・免税についての詳細、電気自動車に関する補助金制度、さらに税金以外にかかる必要な維持費までを詳しく解説します。
電気自動車の購入を少しでも検討している人は、ぜひ参考にしてください。
※当記事は2021年8月6日現在の情報をもとに、記事を作成しています。
電気自動車の税金|減税・免税はある?
※写真はイメージ
電気自動車にかかる税金は、基本的に一般的なガソリン車と同様、大きく下記の3つに分けられます。
・購入時にかかる税金
・登録時や、車検時にかかる自動車重量税
・毎年かかる自動車税
そして電気自動車の所有者は、免税・減税といった優遇措置を受けることが可能です。
ここからは、各税金の免税・減税措置について詳細を解説します。
購入時にかかる税金は免税
電気自動車の購入時にかかる税金は、『環境性能割』により免税されます。
環境性能割とは
環境性能割とは、自動車の購入者に対して課税される税金です。
環境負荷軽減に応じて、税率が異なることが特徴で、区分により非課税1~3%の税率が定められています。
燃費のよい自動車ほど税が軽減され、電気自動車など燃費性能が非常に高い自動車は非課税となります。
環境性能割は、2019年10月の自動車取得税廃止に伴い、同月に導入されました。
同月1日から2021年12月31日までの期間は、臨時的に税率が1%軽減されます。
もともとは2020年9月30日までとなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、延長されました。
登録時や、車検時にかかる自動車重量税は免税・減税
電気自動車の登録時・車検時には、自動車重量税がかかります。
自動車重量税とは、その名の通り自動車の重量に応じて支払わなければならない税金のことです。
そして、電気自動車の自動車重量税は、『エコカー減税』により免税・減税措置を受けられます。
エコカー減税とは
エコカー減税とは、一定の排出ガス基準・燃費基準の達成車に対して、自動車取得税・自動車重量税の税負担を軽減する特例措置です。
国土交通省が定めた環境基準を満たす自動車は、自動車重量税の免税・減税措置を受けられます。
電気自動車も、エコカー減税の対象で、初回車検時と、2回目の車検時は免税です。
エコカー減税による自動車重量税の免税・減税措置は、2023年4月30日まで適用されます。
もともとは2021年3月31日までとなっていましたが、2021年度の税制改正に伴い延長されました。
毎年かかる自動車税は減税
※写真はイメージ
電気自動車は、毎年5月に支払わなければならない自動車税も減税対象です。
そもそも自動車税は、自動車の排気量により金額が異なります。
電気自動車は排気量ゼロのため、2万5000円の自動車税がかかります。
なお、最も自動車税が安い自動車は軽自動車であり、その金額は一律1万800円と、電気自動車の自動車税よりも半額以上安いことが特徴です。
そして、電気自動車の自動車税は、『グリーン化特例』により減税措置を受けられます。
グリーン化特例とは
グリーン化特例とは、排出ガス性能・燃費性能の高い自動車に対する自動車税負担を軽減する特例措置です。
電気自動車の新車登録を行った場合、翌年度の自動車税が75%減税されます。
グリーン化特例による自動車税の減税措置は、エコカー減税と同様、2023年4月30日まで適用されます。
電気自動車に関する3つの補助金制度
※写真はイメージ
電気自動車は車体価格・新車購入価格が高いことが特徴で、普及率を妨げる原因になっています。
そのため、一般的な乗用車との負担差を縮めるべく、国や各自治体からは減税・免税措置のほか、下記3つの実施機関による補助金制度が導入されています。
<次世代自動車振興センター>
補助制度名:CEV補助金
補助金額:最大40万円
募集期間:新車新規登録 2021年2月20日~2022年2月18日
申請書受付 2021年4月28日~2022年3月1日
<環境省>
補助制度名:再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業
補助金額:最大80万円
募集期間:2021年7月1日~2021年12月28日
<経済産業省>
補助制度名:クリーンエネルギー自動車の導入補助金
補助金額:最大60万円
応募期間:2021年7月1日~2021年12月28日
各省庁のウェブサイトには、より詳細な情報が記載されています。
詳しく知りたい人は、ウェブサイトでの確認がおすすめです。
なお、募集期間が終わっていなくても予算枠が埋まり次第、申請受付が終了する可能性があるため注意しましょう。
国の支援制度以外にも、各自治体での支援制度が導入されているケースもあるため、あわせて確認することをおすすめします。
電気自動車の維持費|税金以外にかかるお金と節約術
電気自動車は、一般的なガソリン車と同様、税金以外にもさまざまな維持費がかかります。
費用はガソリン車と比較して安い傾向にあり、減税・免税措置を受けられるとはいえ、少なからず維持費が必要であることを覚えておきましょう。
最後に電気自動車の税金以外にかかるお金と、それぞれの節約術を説明します。
電気代
※写真はイメージ
電気自動車は電気で動く車です。ガソリン車はガソリン代が定期的にかかるよう、電気自動車も電気代が発生します。ガソリンに比べて費用は安いことが特徴です。
また、ガソリンスタンドは街中のいたるところにありますが、電気自動車の充電ができる設備は、電気自動車が注目されている近年でも依然として多くありません。
電気自動車の購入を検討しているのであれば、自宅や自宅近所に充電設備があるかどうかを確認することをおすすめします。
車検代
※写真はイメージ
電気自動車であっても、公道を走るうえで車検は必ず2年ごとに受けなければなりません(初回のみ3年)。
車検をすれば、車検代が当然かかります。また、電気自動車の車検を行える業者は少なく、選択肢が限られてしまう点に注意が必要です。
やっと見つけられたとしても、「車検代が高額だった」というケースも珍しくありません。
とはいえ、電気自動車のメンテナンス項目や、エンジン関連の消耗品は少ないため、基本的にガソリン車と比較して車検代は安い傾向です。
保険代
※写真はイメージ
自動車保険(任意保険)への加入は任意ですが、万一の事態に備えて加入するべきでしょう。車体価格の高い電気自動車であればなおさらです。
自動車保険に加入する場合は、ガソリン車と同様、保険代がかかります。
近年では環境保護の推進を目的として、電気自動車の保険料を安めに設定している保険会社も多く存在します。
割引額や割引率は保険会社によって大きく異なるため、きちんと確認したうえでお得な自動車保険に加入することをおすすめします。
まとめ
電気自動車の税金や、受けられる減税・免税措置、3つの補助金制度、税金以外に必要となる維持費と節約術を詳しく解説しました。
環境問題への取り組みが重要視されている近年、一般的なガソリン車とのお金の負担差を縮めるべく、電気自動車にはさまざまな支援制度が設けられています。
まだまだ普及率が低いことから、充電設備のある場所が少ない・車検業者が少ないなどのデメリットはあるものの、ガソリン車と比べて大幅にランニングコストを削減でき、地球環境にもよいという点は大きな魅力といえるでしょう。
ここまでの内容を参考に、電気自動車の購入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
[文・構成/UPDATE編集部]