テレワークとは?4つの働き方&メリット・デメリットを徹底解説 ビジネス By - UPDATE編集部 更新:2021-07-27 ※写真はイメージ コロナ禍でよく耳にするようになったテレワーク。なんとなくイメージは浮かぶものの、具体的な取り組みやリモートワークとの違いが分からない人は多いのではないでしょうか。テレワークの導入を検討する際は、まずテレワークの基礎知識を押さえましょう。 当記事では、テレワークの定義や働き方の種類、メリット・デメリットを解説します。テレワークで効率的に働くコツや生産性を上げるポイントを知ったうえで、テレワークに切り替えましょう。 目次 1. テレワークとは1.1. テレワークとリモートワークの違い2. テレワークの働き方|それぞれの特徴を解説2.1. 在宅勤務2.2. モバイルワーク2.3. サテライトオフィス・コワーキング2.4. ワーケーション3. テレワークのメリット・デメリット3.1. メリット3.2. デメリット4. まとめ テレワークとは 日本テレワーク協会によると、テレワークとは『情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方』を指します。 テレワークは、離れた場所を意味する『tele』と、仕事を意味する『work』を組み合わせた造語です。 ※写真はイメージ テレワーク自体は以前から存在する働き方で、主にIT関係の企業で活用されていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、業界を問わず、非接触で働くことのできるテレワークに注目が集まっています。 テレワークとリモートワークの違い リモートワークとは、オフィスから離れた場所で仕事することを指します。遠いことを意味する『remote(リモート)』と、仕事を意味する『work』を組み合わせた造語です。 テレワークとリモートワークのどちらも働き方に差はなく、ICTを活用してオフィス以外の場所で仕事をします。 しかし、テレワークとリモートワークは言葉が生まれた時代や意味合いが違います。 テレワークは、勤務環境の改善の一環として1970年代に生まれた言葉です。 対して、リモートワークは比較的新しい言葉であり、遠隔勤務全般を意味します。 テレワークの働き方|それぞれの特徴を解説 テレワークの形態は『在宅勤務』『モバイルワーク』『サテライトオフィス・コワーキング』『ワーケーション』の4種類です。 いずれもICTを使ってオフィスから離れた場所で仕事をすることは同じですが、それぞれの特徴は違います。 ここからは、テレワークにおける4つの働き方の概要やメリット・デメリットを説明します。 在宅勤務 ※写真はイメージ 在宅勤務とは、企業などに雇用されている人が自宅を勤務場所とする勤務形態です。 メリット ・突発的な来客対応などで業務が中断されず、生産性の向上が期待できる ・通勤による肉体的・精神的な負担がなく、通勤時間や交通費も削減可能 ・海外や地方在住、子育て・介護中の優秀な人材を確保しやすい デメリット ・プライベートとの線引きが難しく、自己管理が苦手だと生産性が下がる ・労働実態の把握が難しく、正当な評価が付けづらい ・コミュニケーションが不足して孤立感を覚えやすい 事務職やプログラマーなど、移動がなくチームを組まずに1人で作業できる職種や、子育て・介護中の人は在宅勤務に向いています。 モバイルワーク ※写真はイメージ モバイルワークとは、ノートパソコン・タブレット・スマートフォンなどのモバイル端末を活用し、取引先や移動中、飲食店などで仕事をする働き方です。 メリット ・資料作成などの業務を出先でこなせるため、業務効率が上がる ・出先からオフィスに戻る交通費、残業時間などを削減可能 ・ワークライフバランスの向上につながる デメリット ・モバイル端末の紛失や情報漏洩など、セキュリティ面でリスクがある ・労働時間の実態を把握することが難しい ・従業員間でコミュニケーションが取りにくい モバイルワークは、営業職のような外勤や移動の機会が多い職種の人におすすめの働き方です。 サテライトオフィス・コワーキング ※写真はイメージ サテライトオフィスとは、企業が本社や支社とは別で設置した、必要最低限の機能を備えるサブオフィスのことです。 営業職の人や地方在住の人などは、サテライトオフィス勤務に向いています。 メリット ・通勤や外勤の移動時間、経費を削減できる ・海外や地方の在住者、子育て・介護をしている人も働きやすくなる デメリット ・レンタルオフィスを使用する場合はセキュリティ対策が必要となる ・従業員間でコミュニケーションが取りにくい コワーキングとは、利用者間の交流が推奨されるオープンスペースを就業場所とする働き方です。 ※写真はイメージ コンサルティング業など、人脈づくりが欠かせない職種やクリエイターなどに向いています。 メリット ・異業種交流ができる ・オフィスの賃貸費用を削減できる デメリット ・人の出入りや話し声が気になる ・固有のスペースを確保できない可能性がある ・セキュリティ面でリスクがある ワーケーション ※写真はイメージ ワーケーションとは、観光地などの旅先で仕事をすることです。 メリット ・休みが取れなくても長期旅行ができる ・仕事をしながらリフレッシュでき、生産性が上がる ・ワークライフバランスの向上につながる デメリット ・プライベートとの線引きが難しい ・インターネット環境が整っていない場合がある ・労働時間の実態を把握することが難しい ・セキュリティ面でリスクがある 企画やマーケティングなど、旅先で得た情報を活かしやすい職種やIT関係のクリエイターにワーケーションは特に向いています。 テレワークのメリット・デメリット 時間や場所を問わず働くテレワークには、通常の勤務スタイルとは異なるメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットをあらかじめ知っておけば、必要な対策を講じられるようになるでしょう。 ここからは、企業側と従業員側の2つの視点から、テレワークのメリット・デメリットを説明します。 メリット ※写真はイメージ まず、企業側のメリットには以下が挙げられます。 ・スキルやノウハウのある人材を確保できる テレワークでは時間や場所にとらわれないため、海外や地方に住んでいる人、子育て・介護中など事情のある人も即戦力として採用することが可能です。さらに、テレワークの導入によるブランディング効果も人材確保にプラスとなります。 ・災害時も作業を続けられる 自然災害や感染症の拡大で出勤が困難な事態になっても、テレワークを導入していれば、作業を継続することが可能です。 幅広い人材を確保できること、平時から人や機能を分散させて緊急時も持続可能なシステムを作れることは、企業にとって大きなメリットといえるでしょう。 それに対して、従業員側のメリットは以下のとおりです。 ・ワークライフバランスを保つことができる 通勤時間などが減る分、趣味や家族と過ごす時間が増え、ワークライフバランスを保ちやすくなります。 ・集中力が増して効率よく仕事を進められる オフィスワークでは周囲の雑音や会議、来客などで作業に集中できない場面は多々あります。その点、テレワークでは自分のペースで集中して仕事を進めることが可能です。 従業員側のメリットは、通勤がなくなることによる時間や労力の削減、自分のペースで仕事をすることによる効率アップが挙げられます。 デメリット ※写真はイメージ テレワークはメリットばかりではありません。企業側にとってのテレワークのデメリットは以下のとおりです。 ・従業員の勤怠管理が煩雑になる オフィス以外の場所に従業員が分散するため、労働実態を把握することが難しくなります。 ・従業員の育成や評価が難しくなる 遠隔地にいる従業員との円滑なコミュニケーションが難しく、普段の仕事ぶりを把握しづらくなります。 企業側のデメリットは、従業員がオフィスにいないために労働状況の把握やコミュニケーションが困難になることです。勤怠管理やオンライン会議のITツールを導入し、従業員をフォローするようにしましょう。 一方で、従業員側のデメリットは下記のとおりです。 ・オン、オフの切り替えが難しくなる プライベートな空間で仕事をする場合、合間に家事や育児などが発生すれば、集中力を持続させることが難しくなります。 ・長時間労働になりやすい テレワークでは自分で時間管理を行う必要があり、休憩や仕事を終えるタイミングを逃がしやすい傾向があります。 従業員側のデメリットは、自己管理ができないと生産性の低下や長時間労働につながることです。 集中できるよう仕事専用のスペースを確保する、to doリストを作成する、企業側が休み方について注意喚起を行うなど、対策を講じるようにしましょう。 まとめ テレワークは、ICTを使って時間や場所を問わず柔軟に働くスタイルです。 在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス・コワーキング、ワーケーションの4つの働き方があり、それぞれ特徴は異なります。 オフィス以外の場所で働くことから、通勤にかかるコスト・時間を減らせること、業務効率化を図れることが、テレワークのメリットです。 しかし、従業員が分散するために、業務の実態を図ることが難しいというデメリットもあります。 テレワークの課題を解決する対策を取り入れたうえで、自社に合うテレワークの種類を選ぶようにしましょう。 【関連記事】 テレワークの4つの課題 解決策とテレワークのこれから [文・構成/UPDATE編集部] 関連ワード テレワーク仕事 この記事をシェアする Share Post LINE
コロナ禍でよく耳にするようになったテレワーク。なんとなくイメージは浮かぶものの、具体的な取り組みやリモートワークとの違いが分からない人は多いのではないでしょうか。
テレワークの導入を検討する際は、まずテレワークの基礎知識を押さえましょう。
当記事では、テレワークの定義や働き方の種類、メリット・デメリットを解説します。テレワークで効率的に働くコツや生産性を上げるポイントを知ったうえで、テレワークに切り替えましょう。
テレワークとは
日本テレワーク協会によると、テレワークとは『情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方』を指します。
テレワークは、離れた場所を意味する『tele』と、仕事を意味する『work』を組み合わせた造語です。
※写真はイメージ
テレワーク自体は以前から存在する働き方で、主にIT関係の企業で活用されていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、業界を問わず、非接触で働くことのできるテレワークに注目が集まっています。
テレワークとリモートワークの違い
リモートワークとは、オフィスから離れた場所で仕事することを指します。遠いことを意味する『remote(リモート)』と、仕事を意味する『work』を組み合わせた造語です。
テレワークとリモートワークのどちらも働き方に差はなく、ICTを活用してオフィス以外の場所で仕事をします。
しかし、テレワークとリモートワークは言葉が生まれた時代や意味合いが違います。
テレワークは、勤務環境の改善の一環として1970年代に生まれた言葉です。
対して、リモートワークは比較的新しい言葉であり、遠隔勤務全般を意味します。
テレワークの働き方|それぞれの特徴を解説
テレワークの形態は『在宅勤務』『モバイルワーク』『サテライトオフィス・コワーキング』『ワーケーション』の4種類です。
いずれもICTを使ってオフィスから離れた場所で仕事をすることは同じですが、それぞれの特徴は違います。
ここからは、テレワークにおける4つの働き方の概要やメリット・デメリットを説明します。
在宅勤務
※写真はイメージ
在宅勤務とは、企業などに雇用されている人が自宅を勤務場所とする勤務形態です。
メリット
・突発的な来客対応などで業務が中断されず、生産性の向上が期待できる
・通勤による肉体的・精神的な負担がなく、通勤時間や交通費も削減可能
・海外や地方在住、子育て・介護中の優秀な人材を確保しやすい
デメリット
・プライベートとの線引きが難しく、自己管理が苦手だと生産性が下がる
・労働実態の把握が難しく、正当な評価が付けづらい
・コミュニケーションが不足して孤立感を覚えやすい
事務職やプログラマーなど、移動がなくチームを組まずに1人で作業できる職種や、子育て・介護中の人は在宅勤務に向いています。
モバイルワーク
※写真はイメージ
モバイルワークとは、ノートパソコン・タブレット・スマートフォンなどのモバイル端末を活用し、取引先や移動中、飲食店などで仕事をする働き方です。
メリット
・資料作成などの業務を出先でこなせるため、業務効率が上がる
・出先からオフィスに戻る交通費、残業時間などを削減可能
・ワークライフバランスの向上につながる
デメリット
・モバイル端末の紛失や情報漏洩など、セキュリティ面でリスクがある
・労働時間の実態を把握することが難しい
・従業員間でコミュニケーションが取りにくい
モバイルワークは、営業職のような外勤や移動の機会が多い職種の人におすすめの働き方です。
サテライトオフィス・コワーキング
※写真はイメージ
サテライトオフィスとは、企業が本社や支社とは別で設置した、必要最低限の機能を備えるサブオフィスのことです。
営業職の人や地方在住の人などは、サテライトオフィス勤務に向いています。
メリット
・通勤や外勤の移動時間、経費を削減できる
・海外や地方の在住者、子育て・介護をしている人も働きやすくなる
デメリット
・レンタルオフィスを使用する場合はセキュリティ対策が必要となる
・従業員間でコミュニケーションが取りにくい
コワーキングとは、利用者間の交流が推奨されるオープンスペースを就業場所とする働き方です。
※写真はイメージ
コンサルティング業など、人脈づくりが欠かせない職種やクリエイターなどに向いています。
メリット
・異業種交流ができる
・オフィスの賃貸費用を削減できる
デメリット
・人の出入りや話し声が気になる
・固有のスペースを確保できない可能性がある
・セキュリティ面でリスクがある
ワーケーション
※写真はイメージ
ワーケーションとは、観光地などの旅先で仕事をすることです。
メリット
・休みが取れなくても長期旅行ができる
・仕事をしながらリフレッシュでき、生産性が上がる
・ワークライフバランスの向上につながる
デメリット
・プライベートとの線引きが難しい
・インターネット環境が整っていない場合がある
・労働時間の実態を把握することが難しい
・セキュリティ面でリスクがある
企画やマーケティングなど、旅先で得た情報を活かしやすい職種やIT関係のクリエイターにワーケーションは特に向いています。
テレワークのメリット・デメリット
時間や場所を問わず働くテレワークには、通常の勤務スタイルとは異なるメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットをあらかじめ知っておけば、必要な対策を講じられるようになるでしょう。
ここからは、企業側と従業員側の2つの視点から、テレワークのメリット・デメリットを説明します。
メリット
※写真はイメージ
まず、企業側のメリットには以下が挙げられます。
・スキルやノウハウのある人材を確保できる
テレワークでは時間や場所にとらわれないため、海外や地方に住んでいる人、子育て・介護中など事情のある人も即戦力として採用することが可能です。さらに、テレワークの導入によるブランディング効果も人材確保にプラスとなります。
・災害時も作業を続けられる
自然災害や感染症の拡大で出勤が困難な事態になっても、テレワークを導入していれば、作業を継続することが可能です。
幅広い人材を確保できること、平時から人や機能を分散させて緊急時も持続可能なシステムを作れることは、企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
それに対して、従業員側のメリットは以下のとおりです。
・ワークライフバランスを保つことができる
通勤時間などが減る分、趣味や家族と過ごす時間が増え、ワークライフバランスを保ちやすくなります。
・集中力が増して効率よく仕事を進められる
オフィスワークでは周囲の雑音や会議、来客などで作業に集中できない場面は多々あります。その点、テレワークでは自分のペースで集中して仕事を進めることが可能です。
従業員側のメリットは、通勤がなくなることによる時間や労力の削減、自分のペースで仕事をすることによる効率アップが挙げられます。
デメリット
※写真はイメージ
テレワークはメリットばかりではありません。企業側にとってのテレワークのデメリットは以下のとおりです。
・従業員の勤怠管理が煩雑になる
オフィス以外の場所に従業員が分散するため、労働実態を把握することが難しくなります。
・従業員の育成や評価が難しくなる
遠隔地にいる従業員との円滑なコミュニケーションが難しく、普段の仕事ぶりを把握しづらくなります。
企業側のデメリットは、従業員がオフィスにいないために労働状況の把握やコミュニケーションが困難になることです。勤怠管理やオンライン会議のITツールを導入し、従業員をフォローするようにしましょう。
一方で、従業員側のデメリットは下記のとおりです。
・オン、オフの切り替えが難しくなる
プライベートな空間で仕事をする場合、合間に家事や育児などが発生すれば、集中力を持続させることが難しくなります。
・長時間労働になりやすい
テレワークでは自分で時間管理を行う必要があり、休憩や仕事を終えるタイミングを逃がしやすい傾向があります。
従業員側のデメリットは、自己管理ができないと生産性の低下や長時間労働につながることです。
集中できるよう仕事専用のスペースを確保する、to doリストを作成する、企業側が休み方について注意喚起を行うなど、対策を講じるようにしましょう。
まとめ
テレワークは、ICTを使って時間や場所を問わず柔軟に働くスタイルです。
在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス・コワーキング、ワーケーションの4つの働き方があり、それぞれ特徴は異なります。
オフィス以外の場所で働くことから、通勤にかかるコスト・時間を減らせること、業務効率化を図れることが、テレワークのメリットです。
しかし、従業員が分散するために、業務の実態を図ることが難しいというデメリットもあります。
テレワークの課題を解決する対策を取り入れたうえで、自社に合うテレワークの種類を選ぶようにしましょう。
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テレワークの4つの課題 解決策とテレワークのこれから
[文・構成/UPDATE編集部]