テレワークのストレスの原因と解消法とは? 在宅勤務推進の背景も解説

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新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の影響により、社会全体において新しい生活様式や働き方を求められるようになりました。テレワークによる在宅勤務を取り入れる企業も増えています。

在宅勤務はメリットも多い一方、テレワークによってストレスを感じるようになった人も多いでしょう。

当記事では、コロナ禍における在宅勤務が増えた背景をふまえ、テレワークによるストレスの原因、解消法について解説します。

テレワークによる在宅勤務が増加した背景と理由

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テレワークが急速に浸透した背景にあるのは、コロナウイルスによる影響だけではありません。コロナ禍前から徐々にテレワークは働き方の手法として浸透し始めていました。

テレワークによる在宅勤務には多くのメリットがあるため、2021年現在でも新たに導入する企業は増加傾向です。

まずはテレワークによる在宅勤務が増加した背景とテレワークが導入される理由について解説します。

働き方改革による業務効率化

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コロナ禍以前から、テレワークや在宅勤務という言葉や働き方が注目されるようになった背景にあるのが、『働き方改革』です。『働き方改革』とは、少子高齢化による労働力不足や企業の生産性低下を防ぐための政策のこと。

2018年7月に公布された『働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律』を始め、厚生労働省主導の元、企業の働き方を根本から見直すための取り組みが行われています。

労働力不足の充足や、業務効率化による生産性を向上させる施策の1つとして挙げられたのがテレワークでした。働き方改革をきっかけにテレワークの導入に踏み切った会社や事業者が多いのは、総務省発表の『通信利用動向調査』からも分かります。

総務省『通信利用動向調査』によると、「テレワークを導入している」「導入していないが検討している」と答えた企業は2011年調査時では全体の15%にも満たなかった一方で、働き方改革が推進された2018年には全体の25%以上までに増加しました。

その後2019年には全体の30%弱、コロナ時代に突入した2020年には全体の60%以上にまで達しています

多様な働き方の実現

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テレワークによる在宅勤務は、『働き方改革』の実現に有効です。

例えば育児や介護をしながら働く場合、テレワークによる在宅勤務を導入すれば通勤時間を育児や介護の時間に充てられたり子供や介護者の急病などにもすぐに対応できたりなど、多くのメリットがあります。

また、いつでもどこでも働ける環境を利用し、地方に住みながら働くことも可能です。

親の介護など、なんらかの理由で都市部から地方へ転居した場合でも、オフィスに通勤する必要がないためそのまま働き続けられます。

一人ひとりに合ったワークライフバランスを実現するには、テレワークによる在宅勤務の導入は企業にとって必須といえるでしょう。

優秀な人材の確保

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テレワークによる在宅勤務を導入しワークライフバランスを実現することで、育児や出産、介護による離職なども防げます。ほかにも、企業からの優秀な人材の離職や流出、早期離職などを防ぐことにもつながるでしょう。

社員教育における時間や費用などの人事的コストを削減できるほか、企業の財産である優秀な人材の確保にも有効です。

従業員満足度の向上

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テレワークによる在宅勤務を導入することで、従業員への通勤の負担が減ります。通勤時間の長い従業員にとって大きなメリットです。

また、通勤の負担が減ることで従業員の稼働率の改善にもつながり、業務の効率化や残業の減少も実現できます企業の生産性が向上するだけでなく、従業員満足度の向上も期待できるでしょう

企業全体の経費節減

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テレワークを導入する時には通信設備や機材の確保などのコストがかかる一方、導入後は継続的なコストカットが可能です

そのため、経費節減目的でテレワークを導入する企業も。テレワークを導入することで通勤や出張の交通費のほか、リモート会議にすることで会議室や研修、セミナーの場所代、通信費などのコストもカットできますよ。

『BCP』対策

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テレワークは『BCP対策』に有効です。『BCP』とは事業継続計画または事業継続性の確保を指します。

企業が大災害、事故、テロなど事業停止の可能性がある緊急事態に遭遇した場合でも、事業の早期回復の手法や、主となる事業を継続するための手段や方法をあらかじめ取り決めておくことです。

地震や台風、豪雨など、災害の頻度が高い日本の企業は、防災訓練だけでなく『BCP対策』を行う必要性があります。

テレワークを導入しておくことで、メインオフィスが災害などで損傷、または交通網の乱れによって従業員の出社が難しい場合でも、在宅勤務で事業を継続することができるので安心です。

コロナウイルスによる影響

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テレワークによる在宅勤務が加速した最大の理由として挙げられるのが、コロナウイルス。

コロナ禍によって、人との接触を避ける新しい生活様式が求められるようになりました。非対面非接触で業務を進められる手法として、テレワークによる在宅勤務は非常に有効です。

社内の従業員間はもちろん、取引先など社外の人物との接触も避けられます。また、密を避けるためにオフィスへの出勤人数の抑制や、満員電車を含む通勤ルートの回避にも有効です。

コロナウイルスによるテレワークの推進は、国や自治体が主導で進められています。その背景もあり、2020年に入ってテレワークを導入する企業は爆発的に増えました。

コロナウイルスは感染症の影響による事業停止のリスクもあるため、テレワークは企業の『BCP対策』の側面も持っているともいえるでしょう

テレワークによるデメリットとストレスの原因

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テレワークによる在宅勤務の増加の背景には、コロナウイルスだけでなく企業や従業員にとってもいい効果やメリットが大きいため、導入されているケースが多いです。

ところが、いざテレワークが増加するとストレスを感じるようになったという人も増えました。

株式会社リクルートキャリアの『新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査』では、テレワーク以前に感じることのなかったストレスを感じるようになった人の割合は全体のおよそ60%という結果が出ています。

テレワークによる在宅勤務の拡大後は、テレワークによる問題やデメリットが浮き彫りに。デメリットを踏まえた、テレワークによる在宅勤務でストレスを感じる原因を解説します。

コミュニケーション不足

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在宅勤務になることで、上司や部下、先輩、後輩、同僚などと直接コミュニケーションを取る機会が減少。人とのコミュニケーションが取りにくいことから、孤独感や閉塞感もストレスの原因となります。

テレワークや在宅勤務では、業務上での雑談やちょっとした相談のほか、ランチや食事を一緒に取る機会が減ります。

さらに、テレワークでは対話ではなくメールやテキストチャットによるやりとりが増加。相手の表情が見えない、声が聞こえないため相手の気持ちや温度感が分かりにくいことに対して、ストレスを感じる人もいるでしょう

テレワークを通じてのハラスメント

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オンライン業務やウェブ会議を通じて、『リモハラ』や『テレハラ』といった新たなハラスメントが発生しています。

『リモハラ』や『テレハラ』とは、リモートワーク、テレワークを通じたセクハラやパワハラ、モラハラなどのハラスメント行為

リモハラやテレハラの具体例としては、下記のようなことが挙げられます。

・服装や部屋など、プライベートな部分に対して指摘したりからかったりする
・部下がさぼらないようにプレッシャーをかけたり監視したりする
・常にウェブカメラをオンにするように強要する
・ほかの従業員がいる場ではなく、2人きりのオンライン会議を設定し、仕事と関係のない話をする
・オンライン飲みを強制、またはしつこく誘う
・業務上で不要なやりとりを行う

対面でのコミュニケーションではないテレワーク上でのやりとりでは、当事者がハラスメントをしている意識や自覚のない場合が多いです。

これらの新しいハラスメントは、ストレスの原因といえるでしょう。

オンオフの切り替えがしにくい

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テレワークによる在宅勤務では、自宅で勤務することでプライベートとビジネスの境界線が曖昧になってしまうというデメリットがあります。

その結果勤務時間を区切らずにだらだらと働き、意図せずサービス残業を長くしてしまっている場合もあるでしょう。

勤務時間が長くなることで生活リズムが乱れたり、睡眠不足になったりなどの弊害も出て、大きなストレスの原因となる可能性があります

プライベートの時間が確保しにくくなったことでストレスを感じる人も多いです。

例えば、食事中や休憩中に会社や取引先から電話がかかってくることがあります。テレワークは急速に広まったため、まだ自宅に在宅勤務用のスペースを確保していないという人も。

リビングなどのスペースで業務をせざるを得ない場合、仕事中に家族が話しかけてきたり、小さい子供がいるためオンライン会議で気をつかったりと、家族との問題も発生します。

一部では、テレワーク用のパソコンや筆記用具、通信設備が会社から支給されないため、私物を在宅勤務に使っているという人も

仕事に必要なものを自分で用意したり、経費面での負担がかかったりすることに対してストレスを感じる人もいます

運動不足

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テレワークによる運動不足も、ストレスの原因のひとつ。

テレワークによって通勤時間がなくなり、歩く機会や身体を動かす機会がなくなったという人も多いでしょう。さらにテレワークはデスクワークのため1日の大半が座りっぱなしになるということがほとんどです。

筑波大学大学院と健康機器メーカーのタニタが都内の企業で働く社員約100人を対象に行った調査では、『テレワークに切り替えた社員は1日の歩数がコロナ禍前よりも29%減少し、座っている時間も長くなっていた』という結果が出ました。

運動は、身体を動かすことに集中すると、満足感や達成感を得られ、ストレス解消にもつながります。

また、運動不足によって筋力の低下や体重の増加を引き起こす、『コロナ太り』という言葉も生まれました。テレワークによる体重の増加も、ストレスの原因として挙げられるでしょう。

張り合いや緊張感がなくなる

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テレワークによる在宅勤務は、これまで目の前にいた上司や同僚などがいない環境で働きます。自宅は上司からの仕事のフィードバックが受けにくいほか、競争相手がいないなど、オフィスとは異なる環境です。

承認欲求や競争心が満たされないことで緊張感がなくなり、仕事に対するやる気や意欲が低下することもストレスの原因になります。

また、テレワークでは気が緩み、だらだらと過ごしてしまう人も。作業効率が落ちてしまい、仕事がうまく進められないストレスを感じる場合もあるでしょう。

作業環境の変化

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自宅に、仕事に適した環境が整っていないことをストレスを感じる人もいます。通信が遅かったり、処理に時間がかかったりなどでイライラする場合があるでしょう。

また、テレワークに必要なチャットアプリやウェブ会議ツールなどの導入により、新しいシステムを使いこなせず思うようにコミュニケーションが取れないなど、作業環境の変化によるストレスを感じる人も多いようです

息抜きがしにくい

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テレワーク、さらにコロナ禍による外出自粛の影響を受けて息抜きがしにくくなったのもストレスの原因として挙げられます。

気晴らしに外食や遊びに行く、お茶をしに出かけるといったリフレッシュもしにくくなりました。

食生活の乱れ

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テレワークによる在宅勤務になると、お弁当を作ったり、ランチに出かけたりする機会が減少。

特に、一人暮らしの場合、インスタント食品に頼る食生活になりがちでしょう。

そういった、彩りのない食生活を続けてしまうことがストレスになる場合もあるようです。

テレワークでストレスを感じる人と、感じない人の違い

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テレワークによる在宅勤務でストレスを感じるようになった人がいる一方、「テレワークで快適に仕事ができるようになった」という人も。テレワークでストレスを感じる人と、感じない人の違いを解説します。

人とのつながりに積極的な人はストレスを感じやすい

普段から上司や部下、同僚などと積極的にコミュニケーションを取っていた人や、人からの承認要求が強い人、周りの評価が気になる人などはテレワークでストレスを感じやすいでしょう。

自己完結できる人はストレスを感じにくい

自己完結できる人は、テレワークによるストレスを感じにくいと考えられます。

規則的で健康的な生活を無理せず続けられる人や、周りからの評価や人間関係に振り回されすぎない人は、テレワークでも自分のペースを守りやすいので、ストレスを感じにくいのかもしれません。

テレワークや在宅勤務によるストレス解消法を紹介

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テレワークのストレスは、さまざまな要因によって発生します。

今後も、テレワークは多くの企業で続く可能性が高いです。精神的につらくなる前に、ストレスを上手に解消しましょう。

テレワークによるストレスを解消するおすすめの方法を解説します。

コミュニケーションの機会を設ける

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テレワークは孤独感が出やすいため、こまめにコミュニケーションを取ることが対策として有効です。テレワークでは業務やオンライン会議の実施だけでなく、休憩時間や空き時間に雑談するなどコミュニケーションを取る機会も得るようにしましょう。

雑談などの機会を設けることは、企業側もテレワークの従業員のメンタルを把握しやすいというメリットがあります。

時間の管理を行う

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テレワークによる在宅勤務は残業や長時間労働の概念がなくなりやすいです。メリハリをつける、だらだら働かないなど意識的に時間の管理をするようにしましょう。夜更かしを控え、生活リズムを整えるようにするのも重要です。

また、タスク管理アプリなどを利用し、仕事にメリハリをつけるのも有効です。

オンオフを切り替える

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オンオフを切り替えることで、自宅にいてもメリハリをつけて働けます。まずはプライベートと仕事を分けて働ける環境を整えましょう。

例えば、仕事に集中できるスペースを設ければ、在宅勤務中でも家族にも気をつかわずに業務やウェブ会議に集中できます。

自宅の通信設備を使っていて通信が遅いなど、テレワークの環境や機器が整っていないことでストレスを感じている場合は、上司や担当者に相談してみましょう。

運動や食事、睡眠など生活面を見直す

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運動不足や乱れた食生活も、ストレスと深く関わってきます。運動不足解消のために、散歩をする習慣を付けたり、ジムに通ってみたりしてみましょう。インスタント食品に頼り過ぎず、栄養バランスを考えた食事に改善することが重要です。

睡眠不足にならないように、生活リズムを整えるのもストレス対策に効果的。睡眠の質を高めるためにゆっくり入浴するほか、深酒をしないなどを意識してみましょう。

感情を起伏させる機会を持つ

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在宅勤務や外出自粛が続くと閉塞感や、やる気の喪失につながってしまいます。

普段、同僚との雑談や愚痴をいい合うなどで不満を解消していた人は、テレワークによってそういったコミュニケーションの機会を失い、感情を我慢してしまうことがあるでしょう。

我慢している感情を思い切り解放させることも、ストレス解消に有効です。映画やドラマなどを見て思い切り泣く、漫画などを見て思い切り笑うなどをしてみましょう。

自宅でも映画やドラマを楽しめる動画配信サービス、電子書籍サービスなどのサブスクを取り入れてみるのもおすすめです。

また、新しい趣味にチャレンジしたり、定期的に好きなモノが届くサブスクを利用したりすれば、ストレス解消につながるかもしれません。

自己完結してみる

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周りからの評価が気になる人や、承認欲求が強い人はテレワークでストレスを感じやすいでしょう。一方で、自己完結ができる人はテレワークでストレスをあまり感じない傾向にあります。

テレワークによる在宅勤務の際には、自己完結してみるのも有効な手段です。自分で業務を工夫して進めてみるほか、他人からのフィードバックをあてにしないなどの方法を試してみましょう。

テレワークによるストレスを上手にコントロールしよう

テレワークによる在宅勤務が拡大した背景を踏まえて、テレワークによるストレスの原因とストレスの解消法について解説しました。テレワークによる在宅勤務は多くのメリットがある一方、ストレスを感じる人も多いです。

上手にストレスを解消することでテレワークのメリットをしっかりと受けて働けるようになります。まずは自分がテレワークのストレスを感じる原因を踏まえたうえで、ストレス解消法を試してみましょう。


[文・構成/UPDATE編集部]

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