『防災グッズ』で日常を過ごしてみたら… 「コレは買い足しが必要」「全然足りない」 生活雑貨 By - プラム 更新:2025-01-01 ※本記事はUPDATEが独自に制作したコンテンツです。また、本記事を経由して商品の購入が発生した場合に、ECサイト等から送客手数料を受領することがあります。 地震や大雨など、災害が頻発する昨今。防災グッズへの関心は、以前にも増して高まっています。 とはいえ、多くの人は直接災害を経験しているわけではなく、情報として「こういうものが必要なんだろう」「とりあえずいろいろ入っていればいいか」といった感じで、防災セットを買っている人がほとんどでしょう。 筆者も被災地を取材したことはありますが、直接的に被災した経験はありません。本当に防災セットさえあれば、1日過ごすことはできるのでしょうか。 実際に防災グッズに入っている物だけを使って1日過ごすことができるのかを、独身男性が検証してみました。 目次 1. 防災グッズはなにを選べばいい? とりあえず20点セットを購入したが…2. 防災グッズは一度は使うべき! 緊急時に慌てないために2.1. 防災グッズで1日を過ごす:朝2.2. 防災グッズで1日を過ごす:昼2.3. 防災グッズで1日を過ごす:夜3. 防災セットに足しておきたいもの 使わなかったものは?4. 防災グッズを使って1日を過ごしてみた まとめ 防災グッズはなにを選べばいい? とりあえず20点セットを購入したが… いざ防災グッズを買うといっても、なにをそろえたらいいのかが分かりません。特に一つひとつ選ぶとなると、もうお手上げです。 筆者が選んだのは、基本的な防災グッズが入ったセット商品。とはいえ、あまり高価なものだと手が出しにくく、家族の人数分そろえるのも大変でしょう。 とりあえず必要なものがそろっていそうで、7000円前後のものなら手が出しやすいだろうということで、こちらの防災グッズ20点セットをチョイスしてみました。 Amazonで見る セット内容は、荷物を入れるリュックサックや保存食、水などを含めた20点。 ・リュックサック ・保存食A ・保存食B ・保存用水 500㎖ 2本 ・緊急トイレ袋 2枚入り ・携帯トイレ 1個 ・水溶性ティッシュ 10枚入り6P ・ウェットティッシュ 10枚入り2P ・清浄綿 2P ・緊急アルミブランケット ・ばんそうこう Lサイズ2枚/Mサイズ4枚 ・歯ブラシ/糸ようじ 各3本 ・タオル ・カイロ 2個 ・使い捨てマスク 3枚 ・軍手 ・ゴム手袋 ・笛 ・給水バッグ 3ℓ ・ランタン 1日体験ではすでに使わなさそうなものも入っていますが、足らないものも出てきそうです。 閉じ込められでもしない限り出番はない 特に1ℓしかない水や2食分の食料に関しては、「絶対に少ない」という確信に満ちています。 果たして、1日乗り切ることはできるのでしょうか…12月の某日に検証スタートです! 全部入れても余裕のあるリュック 防災グッズは一度は使うべき! 緊急時に慌てないために 朝起きてから夜寝るまでの間で、どのくらいの防災グッズを使うのかを試しました。 その時々で足りなかったものや、「こうしたほうがいい」と感じたアイテムもご紹介していきます。 防災グッズで1日を過ごす:朝 早速、簡易的な歯ブラシを使って歯を磨きますが、使い心地に問題はありません。 何度か使えそう 歯磨き粉は少ししか付いていませんが、ゆすぐ水を節約することを考えるとこちらのほうがいいでしょう。 小さなコップに水を移し、少しも無駄にしないように節約。ついでに水分補給もすると、すでに500㎖ペットボトルの半分近くを消費しています。 顔を洗うのはさすがに水を使いすぎると思ったので、ウェットティッシュを使って拭く程度にとどめました。 ぐぬぬ、これは思った以上につらい戦いになりそうだ…。 後回しにしていましたが、さすがにトイレに行きたくなってきた筆者。覚悟を決めて、人生初めての携帯トイレを取り出します。 一人暮らしですし、どこでも使えるものなのですが、やはりトイレに行かないと気持ちが落ち着きません。 初めて使うものなので少し抵抗はありましたが、トイレに持って行って無事に用を足すことができました。 ファスナーをしっかりと閉めたら袋などに入れて、地方自治体の条例に合わせた捨て方をすればOKです。 凝固剤が入っているのですぐに固まります 後は朝食をとれば、朝のルーティンは終わりでしょう。 防災セットには『わかめご飯』と『白飯』の2種類が入っていました。さすがに朝から白米だけというのは厳しいので、わかめご飯をチョイス。 長期保存がきくようにアルファ化された米が入っていますが、水やお湯を入れることで食べられるようになります。 熱湯を入れれば15分ででき上りますが、あいにく火器の類は入っていません。仕方ないので水で作りますが、食べられるようになるまで1時間もかかりました。 しかも水量は、なんと170㎖も必要とのこと! 朝だけでペットボトルを1本使い終わりそうなんですが…。 お腹を空かせたまま1時間待ち、完成したわかめご飯を食べます。スプーンが付いているので、ほかに用意するものはありません。 洗い物が出ないのは楽 わかめご飯の量は約270g。大盛り1杯分あるので、分量的には大人の男性でも足りるでしょう。 というか、正直なところ…途中で飽きます。 さすがにキツイ… 薄味な上に、水で作っているので冷たいご飯をただ食べるだけです。「食べられるだけいい」と考えることもできますが、被災している状態でこの食事では気が滅入るでしょう。 おかずになるような缶詰を用意するか、最低でも調味料はあったほうがよさそうです。レトルトのカレーなら長持ちもしますし、ご飯だけでもおいしく食べられるのでおすすめですよ。 Amazonで見る 防災グッズで1日を過ごす:昼 昼を迎える前に、すでに500㎖の水を消費した筆者。明らかに水の量が足りません。 そして、2食分の保存食しか入っていないため、必然的に昼食は抜きです。 なぜ3食分入れていないんだ! という文句をグッと飲み込み、昼を過ごします。 電気が使えない想定なので、暖房なども使っていませんが、筆者は寒さに強いのでそれほど困りません。 人によってはこの時点で使い捨てカイロを使ったり、緊急アルミブランケットを使ったりすることもあるでしょう。 スマホの充電もできないので、「特にやることもないなぁ」と過ごしていると、急にもよおしてくる便意。 「あぁ…とうとう来てしまった」という、あきらめにも似た感情が押し寄せます。 ミニトイレでは対応ができないので、官公庁でも広く使われているという緊急トイレを取り出しました。 とうとう使う時が… 便座にかぶせればすぐに使えるものだと思っていたのですが、意外と用意が大変。緊急時にすぐに使えるように、一度使って慣れておいたほうがいいでしょう。 説明に従って用意をすませ、便座にかぶせた状態がこちら。袋は便座の下に設置したほうがよかったかもしれません。 無事用を足し、水に溶けるというポケットティッシュを使い、消臭効果のある凝固剤を振りかけたら終了です。 ただ、この緊急トイレ…一度使ったら捨てるのではなく、大小あわせて数回の使用を想定して作られています。消臭剤などをかけて直接見えませんが、使うたびに気になって結構なストレスです。 キャンプ場などの汲み取り式便所のようなものですが、近くに汚物がある状態というのはなんとなく落ち着きません。 一人暮らしでも気になるのですから、家族や恋人などと住んでいる場合は、かなり抵抗があるでしょう。 大便の時は一度で処理できるように、緊急トイレを多めに用意しておくなどの対策も、人によっては必要かもしれません。 Amazonで見る この緊急トイレは4、5回使えるものなので筆者はこのまま使い続けましたが、使い方や使う上での気の持ちようなどを知るためにも、平時に一度は使ってみてほしい防災グッズだと感じました。 また、使用にあたって1つ気を付けてほしいことも。 大抵の洋式便器は中に水が溜まっている状態なので、緊急トイレを設置すると外側が濡れます。処理する時に便器の水がたれてしまうので、トイレ内に大き目のビニール袋を何枚か用意しておくといいですよ。 防災グッズで1日を過ごす:夜 日も落ちてくると、周りも暗くなり、気温もグググッと下がってきます。 ここで使い捨てカイロを1つ使い、暖を取りつつ、ランタンを取り出して部屋に明かりを灯しました。 気づけば真っ暗 部屋が明るくなったことで、なんとなく安心感が生まれます。気分が暗くなりがちな時こそ、部屋などは明るくしておいたほうがいいかもしれません。 ちなみに付属のランタンには大抵電池が入っていないため、必ず対応する電池を用意しておきましょう。 もう1つ、防寒対策として入っている緊急アルミブランケットも取り出します。かなりコンパクトに畳まれていますが、ものによってはセミダブルベッドくらいの大きさまで広げることが可能です。 ものすごく薄く、ランタンの光が簡単に透けるほど。防風性や保温性があるとのことなので、しばらく身体に巻き付けていましたが、それほどあたたかさは感じません。 めっちゃ薄い ただ、寝る時に毛布などの上に重ねると熱が逃げにくいのか、いつもよりあたたかく、暖房を使わなくても寒さをしのぐことはできました。 また、夏場なら直射日光を防いだり、急な雨をしのいだりと使い道は多く、荷物としてもかさばらないため、1つは入れておいてもよいでしょう。 とはいえ、こちらも注意点が1つ。緊急アルミブランケットは通気性が皆無なので、かなりムレます。使った後は寝具を乾燥させるなどしないと、簡単にカビが発生するでしょう。 さて、そろそろ夜ご飯も食べたいところですが、残っているのは白米のみ…まったくテンションが上がりません! 残っている水も200㎖程度なので、ご飯に170㎖使ったら、飲み水はもう「なし」と考えていいでしょう。 それでも食べないわけにはいかないので、最後の水を使ってご飯を作ります。 これは食事といえるのだろうか… 1時間待って、完成した白米をそのまま口に押し込む筆者。冷たい白米を、ただ口に運んで噛むだけの単純作業です。 食事ってこんなにつまらないものでしたっけ? 朝食の時にもいいましたが、絶対におかずや調味料はあったほうがいいですよ! Amazonで見る 飲み水すらなくなった今、風呂はどう考えても入ることはできません。仕方がないので、ウェットティッシュを使って身体や頭を拭くことにしました。 幸いウェットティッシュは、手を拭く程度しか使っていないので、まだ余裕があります。 とはいえ、アルコールを含んでいるウェットティッシュなので、皮膚の弱い人や使用箇所は気をつけなければいけません。 筆者は特にアレルギーがないので、そのまま使いましたが、紙が薄くそれほど大きくもないので10枚ほど使ってしまいました。 すぐクシャクシャになる 多少サッパリはしましたが、これが数日間続くと考えるとほかの手段が必要です。 身体を拭く用に、ノンアルコールのシートは、別に用意しておいたほうがよいでしょう。 Amazonで見る また、頭髪に関しては、水を使わずにサッパリできる『ドライシャンプー』がおすすめ。 特に使いやすく、汚れも一緒に落とすことができる手袋状の商品は、筆者一押しです! Amazonで見る ちなみに、歯ブラシはあるものの、口をゆすぐための水がないため、夜の歯磨きはあきらめました。 こちらも水を使わずに歯磨きができるシートがあるので、用意しておくといいかもしれません。 Amazonで見る やることもなく、早めに眠りにつきたいところですが、普段それほど早く寝るわけではないので、目が冴えてしまって眠れません。 スマホやテレビなどが使えないだけで、これほどヒマになるとは思いもしませんでした。 そう考えると、モバイルバッテリーは必須防災グッズといえるでしょう。容量は10000mAh以上あったほうが使い勝手がよいですよ。 Amazonで見る 充電関係で筆者が特におすすめしたいのは、ソーラー充電ができるパネル。天候にもよりますが、思った以上に変換率が高く、スマホも難なく充電することができます。 サイズもノートパソコン程度なので、防災リュックにも入れやすく邪魔にならないでしょう。 Amazonで見る 防災セットに足しておきたいもの 使わなかったものは? 20点セットの防災グッズを使って、1日を過ごしてみましたが、「まったく使わなかったもの」や「もっと欲しかったもの」が浮き彫りになりました。 使わなかったもの代表でいうと、以下のアイテムです。 ・笛 ・軍手 ・ばんそうこう ・使い捨てマスク ・ゴム手袋 とはいえ、日常で検証したから使わなかっただけであり、震災でガレキが散乱していれば、軍手やばんそうこうは必要でしょう。 インフルエンザなどが流行るタイミングで避難所生活をするなら、マスクもあったほうがよさそうです。 そう考えると、それほどかさばるものでもないので、とりあえず防災グッズに入れておくのはあり! 防寒用としても使える そして、筆者的に「失敗した」と思ったのが、給水バッグです。飲み水として使えるのかが分からず、今回の検証では使用しなかったのですが、口をゆすいだり、手を洗ったりする水には使えたかもしれません。 ただ、もし使うとしても、このタイプは上からコップで水をすくったり、給水バッグを傾けて水を出したりと使いにくそうです。 もし給水バッグを用意するなら、下側に蛇口などが付いているタイプのほうが便利でしょう。 Amazonで見る また、1日ならやり過ごすことができましたが、「これは買い足しが必要!」「もっと欲しい!」と思ったアイテムがこちら。 ・保存食(特におかずとなるもの) ・水 ・ティッシュ ・緊急トイレ 保存食は昔のものと比べたらおいしくなっているのでしょうが、やはり単品で食べるには味気ないように感じます。 缶詰やレトルトのカレーなど、最低でも1日に1食分のおかずは必須です! 防災グッズをセットで買って、保存食だけは好みのものを単品で買い足すというのもいいかもしれません。 Amazonで見る そして、水に関しては1ℓではまったく足りません。冬でこの状況なら、夏は間違いなく脱水症状になるでしょう。 水はかさばる上に、重さもあるので保存は大変ですが、優先して備蓄しておくべき。まとめて買うと重たいので、配送が便利です。 Amazonで見る 今回は1日でポケットティッシュを1パック使った程度ですみましたが、これが花粉シーズンだったら…筆者は6パックすべてを使い切っていたでしょう。 防災リュックに余裕があるなら、ティッシュを1箱分入れておいたほうが安心できそうです。 もしくは、通常よりも多く巻かれているトイレットペーパーを入れておくのもいいかもしれません。 Amazonで見る 先述したように、数回使えるような緊急トイレは、1日程度なら2袋分あれば十分です。 ただ、数日分必要になることは間違いがなく、家族で使うなら一度で交換することもあるかもしれません。 多めに用意しておいて損はないでしょう。 Amazonで見る ほかにも絶対に入れておいてほしいのが、ドライシャンプーとノンアルコールのシートです。 災害時は水が貴重になるので入浴などは後回しになりがち。衛生的にもよくありませんし、ストレスもたまりやすくなるでしょう。 気持ちをリセットしたり、サッパリした気分になったりとプラスの要素が大きいのでおすすめです。 Amazonで見る Amazonで見る 防災グッズを使って1日を過ごしてみた まとめ 簡易的な防災グッズを使って、通常時の1日を過ごしてみました。 規定量の水を使うことで、どれくらい消費しているのかが視覚的に分かったり、トイレの不便さを実感したりと、今までにない体験は驚きの連続。貴重な体験となりました。 実体験として、どういったものが足りないのかが分かっただけでも、かなりプラスといえるでしょう。 特に、平常時に緊急トイレを使ったり、1日非常食だけを食べて過ごしたりしてみるのはおすすめです。 災害時の生活の一端を垣間見ることができるでしょう。 いざという時に慌てないためにも、常日頃の準備は大切です。手頃な防災グッズを買って、ぜひ予行訓練をしてみてくださいね。 Amazonで見る [文・構成/UPDATE編集部] 出典 Amazon 関連ワード 検証防災グッズ この記事をシェアする Share Post LINE
地震や大雨など、災害が頻発する昨今。防災グッズへの関心は、以前にも増して高まっています。
とはいえ、多くの人は直接災害を経験しているわけではなく、情報として「こういうものが必要なんだろう」「とりあえずいろいろ入っていればいいか」といった感じで、防災セットを買っている人がほとんどでしょう。
筆者も被災地を取材したことはありますが、直接的に被災した経験はありません。本当に防災セットさえあれば、1日過ごすことはできるのでしょうか。
実際に防災グッズに入っている物だけを使って1日過ごすことができるのかを、独身男性が検証してみました。
防災グッズはなにを選べばいい? とりあえず20点セットを購入したが…
いざ防災グッズを買うといっても、なにをそろえたらいいのかが分かりません。特に一つひとつ選ぶとなると、もうお手上げです。
筆者が選んだのは、基本的な防災グッズが入ったセット商品。とはいえ、あまり高価なものだと手が出しにくく、家族の人数分そろえるのも大変でしょう。
とりあえず必要なものがそろっていそうで、7000円前後のものなら手が出しやすいだろうということで、こちらの防災グッズ20点セットをチョイスしてみました。
Amazonで見る
セット内容は、荷物を入れるリュックサックや保存食、水などを含めた20点。
・リュックサック
・保存食A
・保存食B
・保存用水 500㎖ 2本
・緊急トイレ袋 2枚入り
・携帯トイレ 1個
・水溶性ティッシュ 10枚入り6P
・ウェットティッシュ 10枚入り2P
・清浄綿 2P
・緊急アルミブランケット
・ばんそうこう Lサイズ2枚/Mサイズ4枚
・歯ブラシ/糸ようじ 各3本
・タオル
・カイロ 2個
・使い捨てマスク 3枚
・軍手
・ゴム手袋
・笛
・給水バッグ 3ℓ
・ランタン
1日体験ではすでに使わなさそうなものも入っていますが、足らないものも出てきそうです。
閉じ込められでもしない限り出番はない
特に1ℓしかない水や2食分の食料に関しては、「絶対に少ない」という確信に満ちています。
果たして、1日乗り切ることはできるのでしょうか…12月の某日に検証スタートです!
全部入れても余裕のあるリュック
防災グッズは一度は使うべき! 緊急時に慌てないために
朝起きてから夜寝るまでの間で、どのくらいの防災グッズを使うのかを試しました。
その時々で足りなかったものや、「こうしたほうがいい」と感じたアイテムもご紹介していきます。
防災グッズで1日を過ごす:朝
早速、簡易的な歯ブラシを使って歯を磨きますが、使い心地に問題はありません。
何度か使えそう
歯磨き粉は少ししか付いていませんが、ゆすぐ水を節約することを考えるとこちらのほうがいいでしょう。
小さなコップに水を移し、少しも無駄にしないように節約。ついでに水分補給もすると、すでに500㎖ペットボトルの半分近くを消費しています。
顔を洗うのはさすがに水を使いすぎると思ったので、ウェットティッシュを使って拭く程度にとどめました。
ぐぬぬ、これは思った以上につらい戦いになりそうだ…。
後回しにしていましたが、さすがにトイレに行きたくなってきた筆者。覚悟を決めて、人生初めての携帯トイレを取り出します。
一人暮らしですし、どこでも使えるものなのですが、やはりトイレに行かないと気持ちが落ち着きません。
初めて使うものなので少し抵抗はありましたが、トイレに持って行って無事に用を足すことができました。
ファスナーをしっかりと閉めたら袋などに入れて、地方自治体の条例に合わせた捨て方をすればOKです。
凝固剤が入っているのですぐに固まります
後は朝食をとれば、朝のルーティンは終わりでしょう。
防災セットには『わかめご飯』と『白飯』の2種類が入っていました。さすがに朝から白米だけというのは厳しいので、わかめご飯をチョイス。
長期保存がきくようにアルファ化された米が入っていますが、水やお湯を入れることで食べられるようになります。
熱湯を入れれば15分ででき上りますが、あいにく火器の類は入っていません。仕方ないので水で作りますが、食べられるようになるまで1時間もかかりました。
しかも水量は、なんと170㎖も必要とのこと!
朝だけでペットボトルを1本使い終わりそうなんですが…。
お腹を空かせたまま1時間待ち、完成したわかめご飯を食べます。スプーンが付いているので、ほかに用意するものはありません。
洗い物が出ないのは楽
わかめご飯の量は約270g。大盛り1杯分あるので、分量的には大人の男性でも足りるでしょう。
というか、正直なところ…途中で飽きます。
さすがにキツイ…
薄味な上に、水で作っているので冷たいご飯をただ食べるだけです。「食べられるだけいい」と考えることもできますが、被災している状態でこの食事では気が滅入るでしょう。
おかずになるような缶詰を用意するか、最低でも調味料はあったほうがよさそうです。レトルトのカレーなら長持ちもしますし、ご飯だけでもおいしく食べられるのでおすすめですよ。
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防災グッズで1日を過ごす:昼
昼を迎える前に、すでに500㎖の水を消費した筆者。明らかに水の量が足りません。
そして、2食分の保存食しか入っていないため、必然的に昼食は抜きです。
なぜ3食分入れていないんだ!
という文句をグッと飲み込み、昼を過ごします。
電気が使えない想定なので、暖房なども使っていませんが、筆者は寒さに強いのでそれほど困りません。
人によってはこの時点で使い捨てカイロを使ったり、緊急アルミブランケットを使ったりすることもあるでしょう。
スマホの充電もできないので、「特にやることもないなぁ」と過ごしていると、急にもよおしてくる便意。
「あぁ…とうとう来てしまった」という、あきらめにも似た感情が押し寄せます。
ミニトイレでは対応ができないので、官公庁でも広く使われているという緊急トイレを取り出しました。
とうとう使う時が…
便座にかぶせればすぐに使えるものだと思っていたのですが、意外と用意が大変。緊急時にすぐに使えるように、一度使って慣れておいたほうがいいでしょう。
説明に従って用意をすませ、便座にかぶせた状態がこちら。袋は便座の下に設置したほうがよかったかもしれません。
無事用を足し、水に溶けるというポケットティッシュを使い、消臭効果のある凝固剤を振りかけたら終了です。
ただ、この緊急トイレ…一度使ったら捨てるのではなく、大小あわせて数回の使用を想定して作られています。消臭剤などをかけて直接見えませんが、使うたびに気になって結構なストレスです。
キャンプ場などの汲み取り式便所のようなものですが、近くに汚物がある状態というのはなんとなく落ち着きません。
一人暮らしでも気になるのですから、家族や恋人などと住んでいる場合は、かなり抵抗があるでしょう。
大便の時は一度で処理できるように、緊急トイレを多めに用意しておくなどの対策も、人によっては必要かもしれません。
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この緊急トイレは4、5回使えるものなので筆者はこのまま使い続けましたが、使い方や使う上での気の持ちようなどを知るためにも、平時に一度は使ってみてほしい防災グッズだと感じました。
また、使用にあたって1つ気を付けてほしいことも。
大抵の洋式便器は中に水が溜まっている状態なので、緊急トイレを設置すると外側が濡れます。処理する時に便器の水がたれてしまうので、トイレ内に大き目のビニール袋を何枚か用意しておくといいですよ。
防災グッズで1日を過ごす:夜
日も落ちてくると、周りも暗くなり、気温もグググッと下がってきます。
ここで使い捨てカイロを1つ使い、暖を取りつつ、ランタンを取り出して部屋に明かりを灯しました。
気づけば真っ暗
部屋が明るくなったことで、なんとなく安心感が生まれます。気分が暗くなりがちな時こそ、部屋などは明るくしておいたほうがいいかもしれません。
ちなみに付属のランタンには大抵電池が入っていないため、必ず対応する電池を用意しておきましょう。
もう1つ、防寒対策として入っている緊急アルミブランケットも取り出します。かなりコンパクトに畳まれていますが、ものによってはセミダブルベッドくらいの大きさまで広げることが可能です。
ものすごく薄く、ランタンの光が簡単に透けるほど。防風性や保温性があるとのことなので、しばらく身体に巻き付けていましたが、それほどあたたかさは感じません。
めっちゃ薄い
ただ、寝る時に毛布などの上に重ねると熱が逃げにくいのか、いつもよりあたたかく、暖房を使わなくても寒さをしのぐことはできました。
また、夏場なら直射日光を防いだり、急な雨をしのいだりと使い道は多く、荷物としてもかさばらないため、1つは入れておいてもよいでしょう。
とはいえ、こちらも注意点が1つ。緊急アルミブランケットは通気性が皆無なので、かなりムレます。使った後は寝具を乾燥させるなどしないと、簡単にカビが発生するでしょう。
さて、そろそろ夜ご飯も食べたいところですが、残っているのは白米のみ…まったくテンションが上がりません!
残っている水も200㎖程度なので、ご飯に170㎖使ったら、飲み水はもう「なし」と考えていいでしょう。
それでも食べないわけにはいかないので、最後の水を使ってご飯を作ります。
これは食事といえるのだろうか…
1時間待って、完成した白米をそのまま口に押し込む筆者。冷たい白米を、ただ口に運んで噛むだけの単純作業です。
食事ってこんなにつまらないものでしたっけ?
朝食の時にもいいましたが、絶対におかずや調味料はあったほうがいいですよ!
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飲み水すらなくなった今、風呂はどう考えても入ることはできません。仕方がないので、ウェットティッシュを使って身体や頭を拭くことにしました。
幸いウェットティッシュは、手を拭く程度しか使っていないので、まだ余裕があります。
とはいえ、アルコールを含んでいるウェットティッシュなので、皮膚の弱い人や使用箇所は気をつけなければいけません。
筆者は特にアレルギーがないので、そのまま使いましたが、紙が薄くそれほど大きくもないので10枚ほど使ってしまいました。
すぐクシャクシャになる
多少サッパリはしましたが、これが数日間続くと考えるとほかの手段が必要です。
身体を拭く用に、ノンアルコールのシートは、別に用意しておいたほうがよいでしょう。
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また、頭髪に関しては、水を使わずにサッパリできる『ドライシャンプー』がおすすめ。
特に使いやすく、汚れも一緒に落とすことができる手袋状の商品は、筆者一押しです!
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ちなみに、歯ブラシはあるものの、口をゆすぐための水がないため、夜の歯磨きはあきらめました。
こちらも水を使わずに歯磨きができるシートがあるので、用意しておくといいかもしれません。
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やることもなく、早めに眠りにつきたいところですが、普段それほど早く寝るわけではないので、目が冴えてしまって眠れません。
スマホやテレビなどが使えないだけで、これほどヒマになるとは思いもしませんでした。
そう考えると、モバイルバッテリーは必須防災グッズといえるでしょう。容量は10000mAh以上あったほうが使い勝手がよいですよ。
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充電関係で筆者が特におすすめしたいのは、ソーラー充電ができるパネル。天候にもよりますが、思った以上に変換率が高く、スマホも難なく充電することができます。
サイズもノートパソコン程度なので、防災リュックにも入れやすく邪魔にならないでしょう。
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防災セットに足しておきたいもの 使わなかったものは?
20点セットの防災グッズを使って、1日を過ごしてみましたが、「まったく使わなかったもの」や「もっと欲しかったもの」が浮き彫りになりました。
使わなかったもの代表でいうと、以下のアイテムです。
・笛
・軍手
・ばんそうこう
・使い捨てマスク
・ゴム手袋
とはいえ、日常で検証したから使わなかっただけであり、震災でガレキが散乱していれば、軍手やばんそうこうは必要でしょう。
インフルエンザなどが流行るタイミングで避難所生活をするなら、マスクもあったほうがよさそうです。
そう考えると、それほどかさばるものでもないので、とりあえず防災グッズに入れておくのはあり!
防寒用としても使える
そして、筆者的に「失敗した」と思ったのが、給水バッグです。飲み水として使えるのかが分からず、今回の検証では使用しなかったのですが、口をゆすいだり、手を洗ったりする水には使えたかもしれません。
ただ、もし使うとしても、このタイプは上からコップで水をすくったり、給水バッグを傾けて水を出したりと使いにくそうです。
もし給水バッグを用意するなら、下側に蛇口などが付いているタイプのほうが便利でしょう。
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また、1日ならやり過ごすことができましたが、「これは買い足しが必要!」「もっと欲しい!」と思ったアイテムがこちら。
・保存食(特におかずとなるもの)
・水
・ティッシュ
・緊急トイレ
保存食は昔のものと比べたらおいしくなっているのでしょうが、やはり単品で食べるには味気ないように感じます。
缶詰やレトルトのカレーなど、最低でも1日に1食分のおかずは必須です!
防災グッズをセットで買って、保存食だけは好みのものを単品で買い足すというのもいいかもしれません。
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そして、水に関しては1ℓではまったく足りません。冬でこの状況なら、夏は間違いなく脱水症状になるでしょう。
水はかさばる上に、重さもあるので保存は大変ですが、優先して備蓄しておくべき。まとめて買うと重たいので、配送が便利です。
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今回は1日でポケットティッシュを1パック使った程度ですみましたが、これが花粉シーズンだったら…筆者は6パックすべてを使い切っていたでしょう。
防災リュックに余裕があるなら、ティッシュを1箱分入れておいたほうが安心できそうです。
もしくは、通常よりも多く巻かれているトイレットペーパーを入れておくのもいいかもしれません。
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先述したように、数回使えるような緊急トイレは、1日程度なら2袋分あれば十分です。
ただ、数日分必要になることは間違いがなく、家族で使うなら一度で交換することもあるかもしれません。
多めに用意しておいて損はないでしょう。
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ほかにも絶対に入れておいてほしいのが、ドライシャンプーとノンアルコールのシートです。
災害時は水が貴重になるので入浴などは後回しになりがち。衛生的にもよくありませんし、ストレスもたまりやすくなるでしょう。
気持ちをリセットしたり、サッパリした気分になったりとプラスの要素が大きいのでおすすめです。
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防災グッズを使って1日を過ごしてみた まとめ
簡易的な防災グッズを使って、通常時の1日を過ごしてみました。
規定量の水を使うことで、どれくらい消費しているのかが視覚的に分かったり、トイレの不便さを実感したりと、今までにない体験は驚きの連続。貴重な体験となりました。
実体験として、どういったものが足りないのかが分かっただけでも、かなりプラスといえるでしょう。
特に、平常時に緊急トイレを使ったり、1日非常食だけを食べて過ごしたりしてみるのはおすすめです。
災害時の生活の一端を垣間見ることができるでしょう。
いざという時に慌てないためにも、常日頃の準備は大切です。手頃な防災グッズを買って、ぜひ予行訓練をしてみてくださいね。
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[文・構成/UPDATE編集部]